犬用レインコートの選び方完全ガイド|タイプ別・犬種別の比較と梅雨〜夏の散歩を快適にする実践テク
犬用レインコートはマント型・コート型・ベスト型・ポンチョ型・つなぎ型・ハーネス一体型で特徴と向き犬種が大きく違います。サイズの測り方、撥水素材の見極め、嫌がる犬への慣らし方、夏の蒸れ対策まで、梅雨〜夏の散歩を快適にするための実践ガイドを獣医療と飼い主目線でまとめました。

「降ったり止んだりの梅雨、もう散歩のたびにビショビショ…」 「カッパを着せたいのに、買っても着てくれない」 「結局どのタイプを選べばうちの子に合うのか分からない」
梅雨〜夏の散歩は、雨だけでなく湿度・気温・地面の汚れまで重なって、飼い主にも犬にもストレスの多い季節です。犬用レインコートは「タイプ」「素材」「サイズ感」「設計の細部」で快適性が大きく変わるアイテム。本記事では6タイプの徹底比較・犬種別の向き不向き・サイズの正確な測り方・嫌がる子への慣らし方・夏の蒸れ対策まで、買って後悔しないための実践情報を一気通貫でまとめました。
結論:犬用レインコートは「着せやすさ × 通気性 × 体型適合」で選ぶ
時間がない方のための要点だけ先に示します。
- 初めて買うなら「マント型」または「ベスト型」:頭・前足を通さず羽織れるので嫌がりにくく、シニア犬にも優しい
- 本格的に濡らしたくないなら「つなぎ型(4本足タイプ)」:脚まで覆え、お腹の汚れも防げるが着脱は最も難しい
- 胴長犬種(ダックス・コーギー)は専用設計を選ぶ:通常サイズだと前後の被覆が足りない
- 梅雨〜夏は「メッシュ裏地・通気孔・短丈」が必須:通気性のない安価品は熱がこもり、皮膚トラブルや熱中症の引き金になる
- 嫌がる子は「カーペットの上→おやつ→1〜2分」のスモールステップで慣らす
それでは、なぜレインコートが必要なのか、そしてどう選び・どう慣らすのかを順に深掘りしていきます。
なぜ犬にレインコートが必要なのか|「濡らさない」だけじゃない4つの理由
「うちの子は別に雨でも気にしないし、タオルで拭けばいいでしょ」と思っている飼い主さんは少なくありません。しかしレインコートには、単に体を濡らさないという以上のメリットがあります。
1. 皮膚トラブルの予防
濡れた被毛が乾かないまま放置されると、マラセチア菌や細菌が繁殖しやすい湿度・温度になります。特に犬の耳が梅雨に臭う・かゆがる原因でも触れた通り、垂れ耳の犬種は耳の中まで湿気が侵入しやすく、外耳炎の引き金になります。レインコートで全身の濡れを抑えることは、皮膚と耳の両方を守る基本のケアです。
2. 体温低下と免疫低下の予防
ぬるい雨でも、長時間濡れたまま風を受けると犬の体温は徐々に下がります。子犬・シニア犬・短毛犬種(イタグレ・チワワ・パピヨンなど)は特に体温調節が弱く、雨の散歩のあと体調を崩すケースもあります。
3. 泥はね・汚れ・誤食リスクの低減
雨上がりの散歩道は、泥はね・落ち葉・濡れ落ちた木の実・腐敗物などが普段以上に多くなります。お腹周りまで覆えるタイプを着せれば、汚れだけでなく拾い食いリスクを抑える助けにもなります。
4. 雨を「ポジティブな経験」に変える
雨そのものが嫌いになると、外に出るのを拒否する犬もいます。レインコートで「雨でも快適に歩ける」体験を積み重ねることで、散歩のリズムを崩しません。梅雨に散歩量が落ちるとストレスや問題行動につながりやすいので、雨対策グッズは精神的安定の意味でも大切です。
犬用レインコートの主要6タイプ徹底比較
レインコートは、形状によって着脱のしやすさ・防水範囲・通気性・抵抗感が大きく変わります。それぞれの特徴を整理しましょう。
タイプ1: マント型(ポンチョ型)
背中側だけを覆い、お腹はベルトで留めるシンプル構造。
- メリット:着脱が最も簡単。頭・前足を通さないので嫌がりにくい。シニア犬・関節が硬い犬にも優しい
- デメリット:お腹側はほぼ濡れる。風で裾がめくれる
- 向く犬:初心者の飼い主・シニア犬・服が苦手な子・小雨の日メインで使う子
- 目安価格:1,500〜4,000円
タイプ2: コート型(背中・サイドカバー型)
背中とサイドを覆い、お腹はオープン。マント型より少しフィット感があります。
- メリット:マント型より風でめくれにくい。お腹は通気性確保
- デメリット:足は濡れる
- 向く犬:標準体型の中型犬・短〜中時間散歩
- 目安価格:2,000〜5,000円
タイプ3: ベスト型(ハーネス一体型を含む)
胴全体をぐるりと包み、ベルクロやスナップで前後を固定。ハーネス一体型ならリードを直接装着可能。
- メリット:体にフィットして歩きやすい。ハーネス一体型はリード装着までスムーズ
- デメリット:太腿・お腹下は濡れる。サイズ選びが厳しめ(小さすぎると窮屈、大きすぎると裾がめくれる)
- 向く犬:散歩量が多い活発な犬・引っ張り癖のある犬(ハーネス選び方完全ガイドと合わせて読むのがおすすめ)
- 目安価格:3,000〜7,000円
タイプ4: ポンチョ型(フード付き・ゆったり)
マント型に近いが、よりゆったりとシルエットがあり、フード付きが多い。
- メリット:頭まで覆えるので顔の濡れを軽減。羽織るだけで簡単
- デメリット:フードを嫌がる犬は多い。視界が狭まる
- 向く犬:顔まで濡らしたくないが、フィット型は嫌がる犬
- 目安価格:2,000〜5,000円
タイプ5: つなぎ型(4本足カバー)
頭・首・胴・4本の脚すべてに袖を通す本格防水タイプ。
- メリット:脚まで覆えるので家に帰ってから足拭きがほぼ不要。お腹の汚れも防げる
- デメリット:着脱に時間がかかる(最低でも30〜60秒)。最初は嫌がる犬が多い。蒸れやすい
- 向く犬:泥道が多い・足裏まで濡らしたくない・トリミング直後など
- 目安価格:4,000〜10,000円
タイプ6: 胴長犬種専用設計型
ダックス・コーギー・コーギーミックスなど、胴が長く脚が短い犬種専用の設計。
- メリット:背中の長さがしっかりあり、お腹まで届く設計。サイズ選びが楽
- デメリット:選択肢が他タイプより少ない
- 向く犬:ミニチュアダックスフンド、ウェルシュコーギー、バセットハウンドなど
タイプ別早見表
| タイプ | 着脱しやすさ | 防水範囲 | 通気性 | 価格帯 | 初心者向き |
|---|---|---|---|---|---|
| マント型 | ◎ | △ | ◎ | 1,500〜4,000円 | ◎ |
| コート型 | ○ | ○ | ○ | 2,000〜5,000円 | ○ |
| ベスト型 | ○ | ○ | ○ | 3,000〜7,000円 | ○ |
| ポンチョ型 | ◎ | ○ | ◎ | 2,000〜5,000円 | ○ |
| つなぎ型 | △ | ◎ | △ | 4,000〜10,000円 | △ |
| 胴長犬種専用 | ○ | ○〜◎ | ○ | 3,000〜7,000円 | ○ |
犬種・体型別の選び方
犬の体型ごとに「向くタイプ」と「気をつけるポイント」が違います。代表的な犬種を例に整理します。
小型犬(チワワ・トイプードル・ヨーキー・マルチーズ)
- おすすめタイプ:ベスト型/マント型/つなぎ型
- 理由:体が小さく体温低下が早いので、防水範囲が広いものが安心。ただし重量が増えると歩きにくくなるので、軽量素材を優先
- 注意点:首回りが細く、フード付きは引っかかりやすい。フードなしまたは取り外し可能なタイプを選ぶ
中型犬(柴犬・コーギー・ビーグル)
- おすすめタイプ:コート型/ベスト型(コーギーは胴長専用)
- 理由:散歩量・運動量が多いので、動きやすさを最優先。ベスト型でハーネス一体型なら散歩準備が早い
- 注意点:柴犬は服を嫌がる子が多い。最初はマント型→慣れたらベスト型へ段階的に
大型犬(ゴールデン・ラブラドール・スタンダードプードル)
- おすすめタイプ:コート型/ベスト型
- 理由:体が大きい分、つなぎ型は着脱が大変で犬も嫌がりやすい。背中・サイドの撥水ができれば十分なケースが多い
- 注意点:サイズ表が小型犬基準と異なる場合があるので、必ずブランドの大型犬用サイズチャートを確認
胴長犬種(ダックス・コーギー)
- おすすめタイプ:胴長犬種専用設計型一択
- 理由:通常モデルではお尻側の被覆が足りない・裾が腰でめくれる
- 注意点:ミニチュアとカニンヘンでサイズが違うので必ず実測
短毛犬種(イタリアン・グレイハウンド、フレンチブルドッグ、パグ)
- おすすめタイプ:つなぎ型(裏地起毛なし)/ベスト型
- 理由:被毛が薄く体温低下が速い。広範囲のカバーが安心
- 注意点:短頭種(フレブル・パグ)は呼吸が苦しくなりやすいので、首回り・胸回りに余裕のあるサイズを
シニア犬(10歳以上)
- おすすめタイプ:マント型/ポンチョ型
- 理由:関節が硬く、頭や前足を通す動作が辛い。羽織って留めるだけが理想
- 注意点:着脱時に床に滑り止めマットを敷くと安心
サイズの正確な測り方|3つの数値を必ず実測する
「サイズが合わなくて買い直した」は犬用レインコートで最も多い後悔ポイントです。商品ページに頼らず、愛犬の体を実測してから注文しましょう。
必ず測る3つの数値
- 首回り:首の付け根のいちばん細い部分(首輪の位置)にメジャーを軽く回す
- 胴回り:前足の付け根のすぐ後ろを一周(最も太い部分)
- 背丈:首の付け根から尻尾の付け根まで(背骨に沿って)
測り方のコツ
- 立った状態で測る(座っていると胴回りが少なくなり、実寸より小さくなる)
- メジャーは皮膚にぴたっと当てる(被毛を強く押さえない)
- 指1本入る程度の余裕で着られるサイズを選ぶ
- ぴったりすぎは皮膚擦れ、ゆるすぎは雨が入り込む
サイズが2つで迷ったとき
- 被毛が厚い子(ポメラニアン・柴・サモエド系):大きい方を選ぶ
- 短毛・スリム体型:小さい方を選ぶ
- 太め体型・成長中の子犬:大きい方を選び、後でベルトで調整
素材・機能で見るべき4つのチェックポイント
サイズが合っていても、素材選びを間違えると蒸れ・水漏れ・耐久性低下に直結します。
1. 表地の撥水・防水性
- 撥水加工:軽い雨を弾く程度。汗かきの犬には十分なケースも
- 防水加工:強い雨でも水を通さない。縫い目に防水テープがあるかも確認
- 耐水圧:商品によっては「5,000mm」「10,000mm」と表記。日常使いなら3,000mm以上で十分
2. 裏地(蒸れ対策の最重要ポイント)
梅雨〜夏に最も注意したいのが裏地素材です。
- メッシュ裏地:通気性が高く、汗を逃がしやすい。夏場の必須仕様
- コットン・パイル裏地:吸湿性は高いが乾きにくい。冬向き
- 裏地なし(防水生地のみ):軽量だが蒸れやすい。短時間散歩向け
3. 通気孔・ベンチレーション
背中や脇に通気孔(メッシュ穴)があるモデルは、内部の熱がこもらず、夏場の散歩でも安心。
4. 反射材・蛍光素材
梅雨の散歩は薄暗い時間帯が多いため、車から見えやすい反射テープやネオン色は安全面で重要。
嫌がる犬への慣らし方|5ステップで「着られる子」に
「買ったのに着てくれない」を防ぐには、いきなり散歩で着せず、家の中でポジティブな経験を積み重ねます。
ステップ1: レインコートを「景色」にする
リビングの床にレインコートを広げて置き、無視できる距離に置きます。犬が近づいてニオイを嗅いだら、おやつを1粒。「レインコート=いいことが起きる」を脳に刷り込みます(1〜2日)。
ステップ2: 体に触れさせる
レインコートを犬の体に軽く乗せる→おやつ。これを数回繰り返します。嫌がって動いた瞬間に取り上げず、犬が落ち着いた瞬間に静かに外すのがコツ(2〜3日)。
ステップ3: 留め具を仮装着する
ベルトやスナップを1か所だけ留めて、10秒ほどキープ→おやつ→外す。徐々に全部留められるようにします(2〜3日)。
ステップ4: 着たまま室内を歩く
全部留めた状態で、家の中を1〜2分歩いてもらいます。歩けたらおやつ。最初は3分→5分→10分と延長(3〜5日)。
ステップ5: 短い散歩で実戦
雨が降っていない日に、まずは家の前を5分だけ着て歩く。慣れたら本格的に雨の日デビュー。
雨の散歩でやってはいけない3つのNG
レインコートを着せたから安心、ではありません。雨の日特有のリスクも知っておきましょう。
NG1: 散歩後の足拭き・全身拭きを怠る
レインコートが完璧でも、足の裏・口周り・お腹下は濡れています。帰宅したらすぐにマイクロファイバータオルで水気を拭き取り、できれば静音タイプのペット用ドライヤーで耳と指の間まで乾かします。
NG2: 着せっぱなしで放置する
家に帰ってからもレインコートを着せたまま放置すると、内部が蒸れて皮膚炎の原因に。帰宅したら速やかに脱がせ、レインコート自体も陰干しまたは洗濯します。
NG3: 雷の日に無理して散歩する
雷を怖がる犬はパニックを起こすことがあるため、雷注意報が出ている日は屋内遊びに切り替えましょう。レインコートは「雨対策」であって「雷対策」ではありません。
おすすめアイテムまとめ|散歩がもっと快適になる関連グッズ
レインコート単体だけでなく、合わせて持っておくと快適性が大きく上がるアイテムを紹介します。
- マイクロファイバー速乾タオル:足拭き・全身拭きの主役。複数枚あると便利 → Amazonで犬用速乾タオルを探す
- 足拭きシート(ノンアルコール):玄関で軽く拭くだけでも違う → Amazonで犬用足拭きシートを探す
- 撥水スプレー(犬用安全タイプ):レインコートの撥水を蘇らせる → Amazonでペット用撥水スプレーを探す
食事面のサポートも忘れずに|梅雨を健康に乗り切るために
レインコートは雨の物理的な対策ですが、梅雨は食事の傷み・食欲低下・湿気による消化不良も起こりやすい季節です。日常のフード選びで、消化に優しく良質な動物性タンパク質を中心としたものを選ぶことで、梅雨を体調よく乗り切るベースを作れます。
たとえば**モグワン**はチキン・サーモンを主原料にしたグレインフリー設計で、皮膚や被毛のコンディション維持にも役立つ可能性があるという飼い主の声が多く、梅雨時期のケアに取り入れる方も増えています(食事の合う合わないは個体差があるので、切り替えるならドッグフードの切り替え方法も参考にしてください)。
まとめ|「合うタイプ × 正しいサイズ × 慣らし方」で梅雨が変わる
長くなったので最後に要点をまとめます。
- 初心者・シニアはマント型、活発な子はベスト型、本格防水はつなぎ型
- ダックス・コーギーは胴長犬種専用を必ず選ぶ
- サイズは首回り・胴回り・背丈の3つを実測
- 梅雨〜夏はメッシュ裏地・通気孔・短丈を最優先
- 嫌がる子は5ステップで家の中から慣らす
- 散歩後は速攻で拭く・乾かすを徹底し、皮膚トラブルを防ぐ
雨を嫌いにさせず、むしろ「外に出る楽しみ」を奪わないために、レインコート選びは想像以上に重要です。本記事を片手に、愛犬にぴったりの1着を見つけてください。
気になる症状(皮膚の赤み・耳の異臭・元気のなさ)が散歩後に続く場合は、自己判断せずかかりつけの獣医師にご相談ください。


