【2026年最新研究】犬・猫の歯周病リスクは『犬種と年齢』でこんなに違う|アニコム88万頭ビッグデータが示した“若いうちからのケア”の重要性
2026年5月、犬約69万頭・猫約19万頭の保険データを解析した歯周病リスクの大規模研究が国際学術誌に掲載され話題に。犬種・猫種で異なる4つのリスクパターン、加齢での変化、そして『若いうちからのケア』がなぜ大切なのかを、家庭でできるデンタルケアとあわせてやさしく整理します。

「歯周病はシニアになってから気をつければいい」——そう思っていませんか。2026年、その常識をデータで見直すきっかけになりそうな研究成果が発表され、ペット業界で静かな話題になっています。
2026年5月、大手ペット保険会社が保有する犬約69万頭・猫約19万頭というビッグデータを解析した歯周病リスクの研究成果が、国際的な獣医学の学術誌『Frontiers in Veterinary Science』に掲載されました。「うちの子は何歳から、どのくらい歯周病に気をつければいいの?」という飼い主の素朴な疑問に、これまでにない規模のデータで一つの手がかりを示した研究です。
この記事では、まずこの研究で何がわかったのかを出典とともに整理し、そのうえで犬種・猫種によるリスクの違い、そして最も大切なメッセージである**「若いうちからのデンタルケア」を家庭でどう実践するか**を、飼い主目線でやさしくまとめていきます。
この研究、何がすごいの?──88万頭という“けた違い”の規模
歯周病は、犬や猫にとって非常に身近なトラブルです。一般に「3歳以上の犬猫の多くに歯周病、あるいはその予備軍のサインが見られる」とも言われ、口臭・歯ぐきの赤みといった形で気づく飼い主も少なくありません。
これまでも歯周病に関する研究は数多くありましたが、今回注目されたのはその規模とデータの性質です。
- 対象は主に2023年に保険契約が開始された犬約69万頭・猫約19万頭、合計で約88万頭
- 実際の保険金請求データをもとに、歯周病に関連する請求のリスクを解析
- 加齢による変化と犬種・猫種による違いの両面から分析
- 成果は査読付きの国際学術誌『Frontiers in Veterinary Science』に掲載(2026年5月12日発表)
数千頭規模の調査は珍しくありませんが、88万頭という母数は「けた違い」です。しかも実際にお金が動いた請求データがベースなので、「なんとなく多そう」ではなく、年齢や品種ごとの傾向を数字として比較できる点が、この研究が話題になった理由です。
わかったこと①:歳を重ねるほどリスクは上がる、そして犬は猫より高め
研究の大きな結論の一つは、とてもシンプルです。
犬・猫ともに、歯周病に関連する請求リスクは加齢とともに増える傾向がある。
これは多くの飼い主の実感とも一致するのではないでしょうか。若い頃は気にならなかった口臭や歯石が、歳を重ねるにつれて目立ってくる——そんな経験を持つ方は少なくないはずです。
さらに、犬と猫を比べると違いも見えてきました。犬は猫に比べて、もともとのリスク水準(ベースライン)も、加齢に伴うリスクの増え方も、いずれも高めの傾向が確認されています。犬を飼っている方は、「猫より少し早めに、しっかりケアを意識する」くらいの心構えがちょうどよさそうです。
ただし、ここで大切なのは**「歳をとってから」ではなく「若いうちから」**という視点です。加齢とともにリスクが上がっていくということは、裏を返せば、リスクが低い若い時期にケアの習慣をつくっておくことに意味があるということ。この点は、研究チームからのメッセージとしても「若齢期からの適切なケアの重要性」という形で示されています。
わかったこと②:犬は“4つのパターン”に分かれる
もう一つ興味深いのが、犬種によってリスクの“上がり方”に個性があるという結果です。研究では、犬種グループごとに大きく4つのパターンに分類できることが示されました。
| パターン | 特徴 |
|---|---|
| ①早熟・ゆるやか型 | 若い頃からリスクは高めだが、加齢による増え方はゆるやか |
| ②晩発・急増型 | 若い頃はリスクが低いが、歳をとると急に増える |
| ③高リスク・急増型 | 若い頃から高く、加齢でもさらに急増する |
| ④平均型 | 全体の平均的な推移をたどる |
ここで強調しておきたいのは、「あなたの愛犬の犬種がどれに当てはまるか」を過度に心配する必要はないということです。これはあくまで大きな傾向であり、同じ犬種でも一頭一頭で口の状態はまったく違います。大切なのは「うちの子はこのパターンだからダメ」と決めつけることではなく、どの犬種であっても、日々のケアと定期的なチェックでリスクと上手につきあっていくという姿勢です。
小型犬は口が小さく歯が密に並びやすいこともあり、一般に歯石や歯周病のトラブルが話題になりやすい傾向があります。トイプードルやチワワなどの小型犬と暮らしている方は、この機会に口元をのぞいてみるとよいかもしれません。
わかったこと③:猫はシャムなど短頭タイプで高めの傾向
猫についても分析が行われました。猫の場合は品種間でのベースラインの差は比較的小さい一方で、加齢に伴うリスクの増え方には品種で違いがあることがわかりました。
具体的には、シャムが最も高く、エキゾチックショートヘア、ヒマラヤン、ペルシャといった、いわゆる短頭タイプの猫種で高めの傾向が見られたと報告されています。顔立ちや口・あごの構造が、歯の並びやケアのしやすさに影響している可能性が考えられます。
とはいえ、こちらも「純血種だから危ない」「雑種だから安心」という単純な話ではありません。室内飼いの猫は歯みがきを嫌がる子も多く、口の中はなかなか飼い主の目が届きにくい場所です。品種にかかわらず、ときどき口元をチェックする習慣を持っておくことが、いちばんの近道です。
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家庭でできること:若いうちから始めるデンタルケア5つ
研究が示した「若齢期からのケアの重要性」を、実際の生活に落とし込んでみましょう。歯周病そのものを家庭で治すことはできませんが、日々のケアは口の健康を守るサポートとして役立つ可能性があります。無理なく続けられそうなものから始めてみてください。
1. まずは口元を触ることに慣れてもらう
いきなり歯ブラシを入れると、たいていの子は嫌がります。最初は口のまわりを優しくなでる、唇を少しめくって歯を見る、ここから。触られても平気になったら、次のステップへ進みます。
2. 歯みがきシートで“こする”感覚から
歯ブラシのハードルが高い場合は、指に巻いて使うペット用歯みがきシートから始めると取り組みやすいです。前歯の外側など、触りやすい場所から少しずつ。
3. 慣れてきたら歯ブラシへ
シートに慣れたら、ヘッドの小さい犬・猫用の歯ブラシに移行します。犬用と猫用でサイズ感が違うので、体格に合ったものを選びましょう。歯と歯ぐきの境目を、力を入れすぎずに小刻みに動かすのがコツです。
4. デンタルガム・おやつを“ごほうび”に
歯みがきがどうしても難しい日は、噛むことで歯の表面の汚れがつきにくくなるよう工夫されたデンタルケア用のガムやおやつを上手に取り入れるのも一つの方法です。カロリーの摂りすぎにならないよう、量には気をつけてください。
5. 毎日の食事から口の健康を意識する
毎日口にするフードも、口内環境を意識するうえで見直したいポイントです。とくに猫は歯みがきを嫌がる子が多いため、歯垢・口臭ケアに配慮したキャットフードのように、日々の食事の中でデンタルケアをサポートしてくれる商品を選択肢に入れておくと、無理なく続けやすくなります。歯みがきが苦手な子の“もう一つの手段”として知っておくと安心です。
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犬の口臭が気になり始めている場合の向き合い方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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気になる「治療費」と保険のこと
歯周病が進むと、動物病院での歯石除去や抜歯などの処置が必要になることがあります。これらは全身麻酔をともなうケースも多く、費用が数万円〜と、飼い主にとって決して小さくない負担になることもあります。今回の研究がそもそも保険の請求データをもとにしている、という事実自体が、歯周病が家計に関わるテーマであることを物語っています。
ペット保険で歯周病の治療がカバーされるかどうかは、保険会社やプランによって扱いが大きく異なります。「歯科は対象外」「予防目的の処置は対象外」といった条件が設定されていることもあるため、加入を検討している方や見直したい方は、補償範囲を事前に確認しておくと安心です。
▶ 関連記事: ペット保険の補償内容を徹底比較|通院・入院・手術の落とし穴
こんなサインが出たら、獣医師に相談を
家庭でのケアはあくまで健康を守るサポートです。次のようなサインが見られる場合は、自己判断せず、早めに動物病院で診てもらいましょう。
- 口臭が急に強くなった、生ぐさいにおいがする
- 歯ぐきが赤く腫れている、触ると出血する
- 硬いものを食べたがらない、食べるとき顔を傾ける
- よだれが増えた、口を気にして前足でこする
- 歯がぐらつく、抜けた
歯周病は口の中だけの問題にとどまらず、全身の健康とも関わりがあると考えられています。「たかが歯」と思わず、気になる症状があれば早めに獣医師に相談することが、愛犬・愛猫の健康を長く守ることにつながります。
まとめ
2026年5月に発表されたアニコム損保の大規模研究は、犬約69万頭・猫約19万頭というビッグデータから、歯周病リスクについて次のことを示しました。
- 犬・猫ともに、歯周病に関連するリスクは加齢とともに増える傾向がある
- 犬は猫よりもベースライン・増え方ともに高め
- 犬は4つのパターンに、猫はシャムなど短頭タイプで高めの傾向
- 研究チームからのメッセージは**「若齢期からの適切なケアの重要性」**
いちばんの学びは、歯周病ケアは「シニアになってから」ではなく「若く元気なうちから」始めることに意味がある、というシンプルな事実です。今日から、まずは口元を優しく触ることから。小さな習慣の積み重ねが、数年後の愛犬・愛猫の健康を支えてくれるはずです。
出典
- アニコム損害保険株式会社「ペット保険データを用いた歯周病リスクに関する大規模研究成果が国際学術誌に掲載」(2026年5月12日): https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2026/20260512/
- PR TIMES(アニコム損害保険株式会社 プレスリリース): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000259.000028421.html
- 掲載誌: Frontiers in Veterinary Science
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の健康について気になる点がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。


